テストマーケティングが生む競争優位

テストマーケティングが生む競争優位

フロント商品が完成し、実際に営業を開始する場合、90%以上の確率で「思ったより反応が悪い」という結果になります。これは幾つかの要因がありますが、個人の願望からマーケティングに関する点も含めると以下のような原因が主なものです。

事務所運営を救うサービスだという願望による、現実とのアンマッチ

開業当初や、収益改善を目指す事務所にとって、時間を要して準備したサービスは「必ず成功して欲しいプロジェクト」です。そのため、見込みの20%程度しか反応が無い場合「こんなはずじゃなかった…」と失望してしまうケースがあります。

ホームページに掲載して営業したと判断してしまう

これは、紛れもなく「インターネット社会」の弊害です。アクセス数だけでは有効閲覧者かどうかも判断できませんので、こういった指標で判断することは非常に危険です。

もし、アクセス数が非常に少ない場合、ホームページにサービスを掲載しても何の「意味」もありません。ホームページを営業に活用するためには、事前に準備が必要で基本的に即効性はありません。

サービスの問題

たとえ、満を侍して用意したサービスであっても、企業側がメリットを感じなければ当然の如くオファーがありません。ここでの問題点はサービスの「内容」「コスト」「期間」に潜んでいるケースが殆どです。

営業方法や内容の問題

サービスは良くても、企業に伝わらない場合、同様にオファーはきづらくなります。企業担当は法律家でも専門家でもありません。理解し検討していただくための営業方法を検討する必要があるでしょう。

さて、本書では「就業規則の変更で助成金を申請しよう」というフロント商品でのテストマーケティングについての事例を紹介していますが実際にメールマガジンの広告費用が5000部で1万円という優良価格ならば、すぐに試すようにしましょう。

なぜならメールマガジンの広告は、反応率は悪いもののとてもスピーディに試すことが出来るからです。「まぐまぐ」などで「企業向けのメールマガジン」を見つけたならば、記事の内容や広告の有無などを見つつ、そのメールマガジン自体の広告価値を判断してみてください。

そして、実際に広告を募集していなくても、メールなどでオファーするのは無料で出来ますのでチャレンジする価値はあるのではないでしょうか。

併せて65ページに記載されている「テストマーケティングの有効なステップ」をお読みいただき、少ないコストで効果的なテストマーケティングを実施するようにしましょう。

また、本書で紹介している以外にも様々な方法でのテストが可能ですので、以下をご参考ください。

電話営業によるテストマーケティング

電話営業のポイントは「オープニングトーク」で興味を持つか否かですので、サービスのコンセプトが企業にとって魅力的かどうかを測る良い指標となります。サービス内容や業界にもよりますが、40件ほど電話営業をして1件もアポイントが取れないのであれば、サービスを再考すべきだといえます。

既存客やパートナーの紹介によるテストマーケティング

自身と信頼関係が出来ている既存客やパートナーに新サービスを勧めるのはもちろんですが、更に知人や取引先への営業を依頼視することも有効です。もし、良いサービスだと喜んでいただけたにもかかわらず、紹介が機能しない場合、自分が説明しなければ伝わらない可能性が高いといえます。これは自ずと口コミが発生しにくいことを意味するため、サービス内容ではなく「営業方法や切り口」を見直す必要があります。

一点、注意しなければならないのは、テストマーケティングといえど報酬を得なければならないということです。なぜなら、無料であれば企業にとってデメリットでない限り断る理由がありませんし、パートナーに意見を求めても自社サービスでないために本音の意見が引き出せない可能性があるからです。そのため、割引でも構いませんので、きちんと報酬を受け取ることで商品の価値と市場ニーズを測ることができます。

さて、このような説明をすると次のような疑問が生じます。

「フロント商品のテストマーケティングで報酬を得る必要性は理解した。それならフロント商品が無料の場合はどうするのか?」

当然です。無料サービスの場合は割引ができません。しかし、だからといって効果的なテストが出来ないかといえば、それは別の話になります。無料サービスの場合「有料サービスの営業」や「次のアポイント」を取ってこそ意味がありますので、ご自身の営業力が収益に直結するのはいうまでもありません。

それでは、テストマーケティングの具体的な方法について解説します。

テストマーケティングの具体的な方法

まずは、サービスの内容や価格を基に「営業する業界」と「営業の切り口」の候補を幾つかリストアップします。

例)

サービス内容

採用系助成金活用コンサルティング

  1. 診断無料
  2. 業務発生時助成金額の15%が報酬
営業する業界
  • 介護業界
  • 建設業界
  • IT業界
営業の切り口
  • 採用すると○○万円のように金額をクローズアップ(以下、金額メイン)
  • 本年度○○件申請のように自身の実績をクローズアップ(以下、実績メイン)
テスト方法
  1. 営業の切り口に記載した2パターンの宣伝用チラシを作成
  2. 更に営業する業界向けに作成

テストマーケティング

これで、合計6パターンのチラシが作成できます。これを用いて本書65ページに記載されている「テストマーケティングの有効なステップ」の【2】と【3】で同じ数だけ広告を実施します。

間違いなく、反応率に差が出てきます。例えば「介護業界の金額メイン」は反応率が最も高く「IT業界の実績メイン」は反応率が悪かった、というようなイメージです。

この結果は一つの成果です。上位2つのチラシは最適な「業界」と「切り口」を示している可能性が高いため、実際にはもう一歩突っ込んだテストを重ねます。

これにより、「どのようなサービス」を「どの業界」に「どのように売ればよいか」が分かります。ここで初めて広告規模を大きくすることで、収益は最大化することでしょう。

一見、面倒な方法のように見えますが、このテストマーケティングの結果は、自社が更に新たなサービスを作成した際にも役立つナレッジとなり、小手先の販売ノウハウでは得がたい財産だともいえます。

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