先駆者利益考察で見えるもの

先駆者利益考察で見えるもの

本書16ページ「世代交代の波を感じよう」では、旧世代の社労士が引退を迎えようとしている話をしました。

これは、旧世代の先駆者利益が市場に解き放たれようとしてるというイメージを持たれたのかもしれませんが、そうではありません。

ボストン大学のフェルナンド・スアレス准教授は先駆者利益について、このように述べています。

先駆者利益の定義は「ある企業が新たなカテゴリで最初に商品を売り出した結果、他社より好業績を納めることである」

そして、先駆者利益が機能するか否かについて、4つのポジションで解説しています。

先駆者利益考察で見えるもの

激動型

ITやパソコン業界のような激動型では、後発組でも資本力があれば充分にシェアを確保することが出来ます。なぜなら、技術革新によってルールが変わることで市場が安定しないことが要因だといえるでしょう。

ただ、短期的には業績が上がりますが、同様に次々とライバルが現れますので、長期的な市場のリーディングは至難の業です。

技術指導型

自動車やテレビ、あるいはデジタルカメラがこのカテゴリに属します。激動型との相違点は、技術進歩は激動型に類しますが、商品の普及が緩やかな業界です。

このカテゴリは、先駆者が利益が短中長期で得られにくい特徴があります。市場が拡大しない限り、圧倒的な技術力か資本力がなければ長期的なシェアは難しいでしょう。

市場主導型

市場主導、つまり商品やサービスが広がるスピードが速く、マーケティングやブランドを確立することで短期からシェアを取ることができ、それが長期的に持続するカテゴリだといえます。

平静型

技術も市場規模の拡大も緩やかに延びてゆくこのカテゴリでは、短期的な先駆者利益は起こり得ませんが、地道な活動によって確立したブランドにより、長期的には圧倒的な効果を発揮します。

さて、現在の社労士業界はどのカテゴリに該当するとおもわれますか?それは、紛れもなく「平静型」です。

1・2号業務にさしたる革新的な変化はありませんし、関与率の低さを見ても明らかなのはご理解いただけることでしょう。このため、従来型の社労士で活動すると、既に先人が居座っているために「順番待ち」にならざるを得ません。

ここで必要なのがポジションチェンジです。
平静型のカテゴリから「市場主導型」あるいは「技術主導型」にシフトしましょう。

具体的に説明すると、「市場主導型」ならば、大規模なマーケティングとそれに耐えうる実務キャパシティが必要です。

そして「技術主導型」であれば、本書で説明したとおり「社労士のコンサルタント化」が前提となります。これに加えて、サービスの研究開発力があれば、一気に新しい市場を開拓することができるでしょう。

そのため、手続き関連での不明点や、助成金の要件と支給額、入金スケジュールを完全に理解していなければ致命傷となります。まずは、この点を押さえた上で、それぞれの業務を用いてどのようにサービスを組み立てていくか、これを検討していく必要性があります。

このように、旧世代の社労士と同じ土俵に上がることで、確実に安定経営までが長期化してしまいます。次世代型社労士の意識とそれを実現するための行動さえすれば、既存の社労士が関与している市場を荒らすこともありませんので、他者を気にせず、マーケティングできるのはいうまでもありません。

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