セミナーメリットを享受する10のポイント
本書では、セミナー活動は強力な営業ツールになり得るとしながらも、集客や講義内容などに言及した上で成立させる困難さを説明しています。
毎月定期開催し、5%の制約率を安定して教授するためにもクリアしなければならない事項や、あらかじめ陥ってはならない罠を回避しておかなければなりません。
以下に、セミナー営業の効果を享受するために気を付けなければならないポイントを紹介していきます。重要または優先順位の高い順に説明していきますので上から準備していくようにしましょう。
1.主催か共催かの問題
セミナー営業を余すことなく活用するには、当然ながら「主催」である必要があります。なぜなら、どのような営業をしても自己責任であるために「常識」という制約が付くだけだからです。
共催にするメリットは「集客リスクを低減する」「自らの講師力不足を薄める」という理由以外には考えられません。もちろん外部講師などもありますが、セミナー後に営業することを前提にした話題であるため、ここでは割愛いたします。
もし、初めてセミナーを実施し、集客力に不安があるのであれば、以下のようなポジションの専門家や企業と共催するのが望ましいといえるでしょう。
セミナーの集客力がある
既に何度もセミナーを実施しており、集客力があるコンサルタントを見つけ、それが社労士関連のセミナーと組み合わせることができるのであれば、非常にラッキーな事です。
共催相手のメリットを提示した上で、集客活動に苦しめられることはないでしょう。
非常に優れた講師である
集客力がない、優れた講師は意外にも大勢いらっしゃいます。もし、ほんの数人の前で話すことになろうとも、共催する講師の講義内容や話し方などが参考になるのなら、最初のうちは経験として実施するのも良いでしょう。
お分かりかと思いますが、セミナー共催の相手を選定する上で必要な要素は「建設的なセミナーになるか」が全てです。つまり「営業が出来るか」「自分が勉強になるのか」以外は共催するメリットが無いと言い換えることも出来るでしょう。
2.セミナーの内容と販売するサービスの問題
ターゲットにする業種にとって、旬な情報であったり、慢性的な問題を解決するセミナーでなければ、参加をする意味は非常に薄れてきます。まずはセミナーカリキュラムをどのようなものにすべきかをじっくり検討するようにしましょう。完成後に、集団と個人の差はありますが、既存クライアントとの面談を利用してマンツーマンの勉強会による反応を計るのも有効だといえるでしょう。
次に、セミナー後に販売するサービスに関しては、当然ながらセミナーの内容に相関性がなければなりません。少なくともフロントエンド商品、そしてバックエンド商品を準備するようにしましょう。
3.サービス販売のシナリオの問題
セミナー終了後にサービスをセールスするにあたり、時間を区切って「はい、ここからは宣伝です」とするのではなく、あくまでも講義の延長線上でプロモーションするシナリオを作ることは非常に大切です。この部分においての検討を怠るだけで、制約率は最悪半分まで低下してしまいます。必ず「以上でセミナーを終了します」という前にサービスPRを終えるようにしましょう。
4.セミナースケジュールの問題
セミナーのスケジュールに関して、重大なポイントがあります。それは「集客に最短1ヶ月は掛けること」そして「半年以上先の予定を立てないこと」です。
参入直後のセミナー集客は非常に辛いものです。しかし、セミナーを開催する決意をした者にとっては「何とかなる」と思いこみがちです。「2週間後に開催しよう」と決意しても当然ながら現実は甘くありません。セミナー巧者ほど、毎月コンスタントに定例会を開催して営業のリズムを作るものです。
また「半年以上先の予定を立てないこと」に関しては、以下が理由に挙げられます。
情報が古くなるから
例えば、助成金セミナーを企画したとして、半年後にその助成金が無くなってしまう可能性もあります。このように旬な情報をセミナーカリキュラムに組み込むためには、短期決戦での集客が必要になります。
モチベーションの低下
初めてセミナーを開催する場合「半年後にセミナーを開催する」と決意したときはモチベーションが高いのですが、半年後ということもあり、どこでエンジンをかけるべきか判断が難しくなってしまいます。これも上記「セミナーカリキュラム」と同様、2ヶ月程度の短期スパンで考えるようにしましょう。
5.集客の問題
1〜4までの課題がクリアになったのなら、セミナー活動はぜひ実施すべきです。そしてセミナー告知をすることは「苦しい集客の時期」が始まることを意味しています。
セミナー集客に関しては、本書131ページに記載したとおりですが、最初は箇条書きの「2つ目」と「4つ目」に注力するのが妥当だといえます。
つまり、集客の際に気をつけなければならないのが「確率の良い方法」と「確率を測れる方法」を平行して実施することです。
広告関連に関しては、弊社でもデータを取っており、様々な業界や切り口、そしてデザインで反応率は大きく変わってきます。必ず、セミナーを成立させつつ、次の集客はもっと効率よくするための働きかけは必須です。
6.アフターフォローの問題
セミナー時にサービスのPRをする際、必ず以下の取り組みは実施するようにしましょう。
- 期限を決めて、割引または追加サービスを行う
- 後日メールを送付する
- その後、しつこく営業しない
- 次回のセミナーやサービスの告知をする
- 全てのメールを営業だけで終わらず、情報を付与する
しつこいメールは嫌われますが、役立つ情報があれば、クレームが発生することはありません。過去のセミナー参加者は、これからの見込み参加者になるという認識を持ちつつ、1度きりの関係にならないように気を付けるべきだといえるでしょう。
7.集金の問題
当日払いは絶対にやめるべきです。なぜなら、当日キャンセルが増加するからで、事前振込みが無難だといえるでしょう。また、顧問料の支払いなどでクレジット支払いをリクエストされる場合があるのなら、このタイミングでインフラを整えるのも良いでしょう。
8.セミナー会場やレジュメの問題
ここをネックに感じられて足踏みされるケースも少なくないようですが、会場の質やレジュメの質で、バックエンド商品の売れ行きがそれほど影響するデータは出ておりません。
極端な例を挙げれば、4時間のセミナーのレジュメがA4用紙1枚という方もいますし、県や区の施設で無料セミナーを実施し、その後に高額のコンサルティング業務を受注するケースは稀ではありません。それよりもセミナー後のフォローに注力すべきでしょう。
9.段取りの問題
セミナーの段取りをこの項目で説明すると、全体的なバランスが悪くなりますので、実際に体感して覚える方法をお教えすることにします。それは「他のセミナーでスタッフをする」ことです。これにより、そのセミナーの長所と短所が見えると思いますので、自身のセミナーに活かすようにしましょう。
10.その他のTIPS
司会を用意する、飲料や筆記用具を配置するなど、小手先のテクニックもセミナーの「演出」という面で考えれば重要な要素であるといえます。ただ、ホライズンワークスの調査では「小手先のテクニックと収益増には相関性が無い」と判断しています。参加者を「生徒」と考えるか「お客様」と考えるかで判断するようにしましょう。
本書にて「セミナー営業は強力!」としましたが、実際に1講演で300万円の収益を上げる社労士の先生もいらっしゃいます。サービスを効率良く売るのか?講師料を上げていくのか?などセミナー講師になることによって、様々な分かれ道が待っていることでしょう。
ここで絶対にとってはいけないのが「講師料をメインにする」という道です。これを選択すると完全に身体が資本となり、労働収入でしかなくなってしまいます。あくまでも「セミナーは営業販路」だと認識し、それ以外の要素である「ブランド構築」「データ収集」などの意味を持たせていくことで、より効果的なセミナーのメリットを享受できるようになります。
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