社会保険労務士は顧問業務でどのようなサービスを提供しているのでしょうか。
「労働保険・社会保険の書類作成」「保険料申告」「算定基礎」「労働社会保険諸法令関する相談」など、様々ありますが、企業にとってのニーズと比較すると、新しい顧問サービスの姿が見えてきます。キーワードは「体感減額」です。
誰の為の顧問サービスか
顧問サービスを展開する上で、本当に企業にメリットのある提案ができていますか。著書「社労士が年収1000万円稼ぐ一番シンプルな方法」で記載したとおり、仮に顧問料が3万円だとすれば「企業が払う価値のある金額」なのか「社労士が欲しい金額」なのかをもう一度見直さなければなりません。
企業にとっての毎月3万円の価値は、専門人員が3日間従事するくらいの金額であり、業務負担が季節変動的である社労士業務では、メリットを打ち出すことは困難だといえるでしょう。
我々はもう一度、顧問サービスについて検討しなければならない時期に来ています。中小企業が求めているものをもう一度まとめてみると、次のようなことが考えられます。
1. 売上アップの仕組み
まず、企業が考えるのは売上(利益)を向上させる取り組みです。これが達成できるのであれば、企業はある程度のことは犠牲にできますし、またしたいとも思っています。
2. コストカットの仕組み
不景気が改善されぬまま、長い時間が経過しており、売上アップを諦めつつある企業はコストカットの道を歩んでいきます。これは、時として人材を無下に扱い、思わぬ問題を引き起こしていくでしょう。
3.人材に対する仕組み
人材に対しての取り組みを検討するケースとして「分かっている企業」か「業績の良い企業」あるいは両方を兼ね備える場合が殆どです。
社会保険労務士は主に「3.人材に対する仕組み」が専門であるため、1や2を強く切望している企業と商談した場合、業務受注につながらないのは当然といえば、当然でしょう。
他社サービスの利用
他社との連携を社会保険労務士が実施する場合、「行政書士」や「税理士」など士業間での連携が想像できますが、もう少しフレキシブルに考えることで選択肢の広がりを感じることができます。
例1:HP制作
ホームページによる売上アップを実現している中小企業は極めて稀な存在です。あるいは、まだホームページ自体を持っていないケースも少なくあります。そのようなニーズを感じた場合、提携企業があれば紹介することができます。
例2:FAXDM
士業やコンサルタントとの連携の場合、紹介する相手のスキルによってはクライアントに不満を与えるかもしれます。しかし、FAXDMなどのPRであれば「忠実に業務を遂行」すれば、あとはコスト面によって満足させることができるでしょう。
例3:媒体印刷
事務所概要や名刺、パンフレットなど中小企業は紙媒体の印刷を頻繁に行うものの、意外とコスト高な業者を使っているものです。ここで、品質と価格のバランスを取る事で企業の満足を得ることができます。
以上のように幾つかの例を提示しましや。それでは、これらの提携企業とコラボレートすることで、どのような顧問サービスを準備すれば良いのでしょうか。
体感減額による報酬
今までに、様々なサービスを受けた経験があると思うが「体感的に料金が減少した」という体験をしたことはありませんか。この代表的な例が「インターネット同時加入でパソコンが100円で購入できる」というものです。定価10万円程度のパソコンがインターネットに加入することで、ほぼ無料で得ることができるこのサービスは、一見して得に感じられますが、プロバイダ契約を2年間拘束することで十分ペイできてしまいます。
しかし、ユーザーにとっては「どうせインターネットは使うから得だ」と感じさせることができます。
この考え方を活かした顧問サービスを考えるのであれば、前述した例1〜3の提携企業から売上の10%を報酬として受け取り、その代わりに顧問サービスの費用と相殺してはいかがでしょうか。
例えば、提携企業のサービスを紹介し、30万円のホームページ制作を受注した場合「この業者から3万円の報酬を受け取り、クライアントが支払うべき顧問料の3万円は実質無料になる」ということです。
これならば、クライアントは自身のサービスを利用すれば利用するほど、顧問料が安くなると感じることができます。併せて提携企業へも潤沢に業務を受注させることができれば、逆に仕事を紹介するという流れが自然にできるはずでしょう。
顧問サービスが変革の時を迎える上で、異分野のサービスを持つという事が「邪道」だという意見もでて然るべきですが「王道」だとされる方法で企業価値が上げられていない以上、どちらの選択が望ましいかは、もはや論点にすらならないのではないでしょうか。
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